第18回「目からウロコがはぎ取れる! 経営に役立つポイント」

~会計クイズ編(キャッシュフロー計算書)~

こんにちは! エースラボの布川昭文です。                     
普段は「出張経理課長」として、契約企業様の日々の経理処理や毎月の状態把握に欠かせない月次試算表作成のお手伝い、さらには資金繰りや、資金調達に関わる支援業務を行っております。                                  
今回は、キャッシュフロー計算書から簡単なクイズを出したいと思いますのでチャレンジしてみてください!基本をベースにしておりますのでそんなには難しくないと思います(解答と解説は最後に記載しております)。

1.キャッシュフロー計算書は、企業の資金の流れを示します。次のどれがキャッシュフロー計算書に含まれますか?
a)営業キャッシュフロー
b)収益キャッシュフロー
c)負債キャッシュフロー
d)資産キャッシュフロー

2.営業キャッシュフローは、以下のどれを考慮して計算されますか?
a)投資利益
b)営業費用
c)負債償還
d)所有者の資本

3.営業キャッシュフローの計算に含まれないものは次のうちどれですか?
a)配当金支払
b)仕入に対する支払
c)減価償却費
d)売上高

4.次のうち投資キャッシュフローはどれでしょうか?
a)日常の事業活動からの現金収支
b)有価証券取得による現金支出
c)負債の支払いによる現金支出
d)所有者からの資本調達による現金収入

5.企業が新しい機械を購入した場合、これはキャッシュフロー計算書のどの部分に影響しますか?
a)営業キャッシュフロー
b)投資キャッシュフロー
c)負債キャッシュフロー
d)フリーキャッシュフロー

6.投資キャッシュフローの計算に含まれないものは次のうちどれですか?
a)建物の購入
b)資産の売却収入
c)社債の発行による収入
d)土地の購入費用

7.財務キャッシュフローに含まれるものは次のうちどれですか?
a)新株の発行による資金調達
b)営業活動に係る支払
c)貸付金の返済
d)従業員の給与支払

8.次の中で、キャッシュフロー計算書における「フリーキャッシュフロー」を計算するための適切な式はどれですか?
a)営業キャッシュフロー−投資キャッシュフロー
b)収益キャッシュフロー−負債キャッシュフロー
c)営業キャッシュフロー+投資キャッシュフロー
d)負債キャッシュフロー−収益キャッシュフロー

解答と解説はこちら
1.a)営業キャッシュフロー
キャッシュフロー計算書は、会計年度内での現金の入金と出金を明確に示し、企業の現金管理や財務状況を理解するのに役立つ財務諸表のひとつです。また、キャッシュフロー計算書は①営業活動によるキャッシュフロー②投資活動によるキャッシュフロー③財務活動によるキャッシュフローの3つに分類されます。

2.b)営業費用
営業活動によるキャッシュフローとは、主に本業の営業活動によって生じたキャッシュの増減を示しており、商品やサービスの販売による収入、商品の仕入や給与支払による支出などのお金の動きを表しています。それ以外にも利息の受取額、、利息の支払額、法人税等の支払額も含まれます。

3.a)配当金支払
営業活動によるキャッシュフローは、営業活動によって生じたキャッシュの増減を示していますが、配当金の支払に関しては、営業活動で生じたのではなく、財務活動によるキャッシュフローに含まれる内容になります。

4.b)有価証券取得による現金支出
投資活動によるキャッシュフローは、将来の利益獲得目的や資産運用を目的とした、投資活動におけるキャッシュの増減を示しており、有価証券の取得や売却、固定資産の取得や売却が含まれます。

5.b)投資キャッシュフロー
上記解説参照。

6.c)社債の発行による収入
社債の発行による収入は財務活動によるキャッシュフロー計算書に含まれる内容です。

7.a)新株の発行による資金調達
財務活動によるキャッシュフロー計算書には、借入、社債発行、新株発行、借入金返済、社債償還、配当金の支出などが含まれます。財務活動によるキャッシュフローは、営業活動及び投資活動を維持するための資金をどの様に調達・返済したかを示しています。

8.a)営業キャッシュフロー-投資キャッシュフロー
フリーキャッシュフローとは、企業が自由に使えるキャッシュを示しており、営業活動によるキャッシュフローから投資活動によるキャッシュフローを差引いたものになります。当然の事ながらフリーキャッシュフローは大きい方が好ましいです。

今回はここまで。次回もお楽しみに!

ABOUT US
布川 昭文
中央大学経済学部卒業後、東証一部上場企業の建設会社に入社。支店経理、本社人事部で勤務。その後、会計事務所、シンクタンクにてスタッフ系業務全般及び調査・研究業務に携わる。シンクタンク時代には流通業の経理担当者向けのセミナー講師を定期的に務めた。また、2005年共著にて「経営計画・利益計画の立て方進め方(ISBN-10:4534039751)」執筆。 2021年 エースラボの理念「中小企業のパワーアシスト」に共感し参画。いままで様々な企業の業務改善に携わる。趣味で合唱をたしなみ、ベートーヴェンの第九をこよなく愛する。週末、ぶらぶらとドライブしながらの温泉巡りをすることもすき。