「経営基盤ってなんですか?」
経営に関する会話をしていると当たり前のように出てくる「経営基盤」というワード。
「経営基盤ってなんですか?」
もしそんな素朴な質問を、若手社員や自分の子供に聞かれたら、私たちは明確に回答できるんでしょうか?
「う〜〜 それはなんだよ 経営の基盤ってくらいだから とっても大切なことだよ ん〜〜 それは経営の基礎になるところで・・・それはそれは とっても大事なことなんだ そうそう とっても重要だよ 経営基盤は・・あ〜 ちょっと忙しいから そろそろ行くね (スタコラサッサ)」
たとえば「右」や「左」*みたいなワードのようにあまりにも当たり前に使い過ぎていて、改めて聞かれるとこんなことになってしまいそうです。
AIの答え
試しに最近ちょこちょこ使い出しているGoogleGeminiに同じ質問をしたところ
「経営基盤とは、企業がその事業活動を持続的かつ安定的に行うために必要な土台となるものです。経営基盤は、企業の掲げる戦略を実現させたり、企業の長期的な成長を総合的に支えたりする役割を果たします。」
「Gemini! おまえもか!」 と問いただしたくなるような、先ほどのしどろもどろの私の答えをもっともらしく言い直しただけの書き出しです。
とはいえ、さすがは「時代の寵児」Gemini君
その後にしれっと経営基盤を構成する要素として「人材・財務・顧客・製品・サービス・技術・・等々」を列挙してきました。
このへんは、感覚だけでやってる「ChatGTR(ゲンイチロー)」とはひと味違いますね。
でもですよ、そうは言っても、この回答、なんかしっくりこないんですよ。
だってこれって経営基盤っていうより、もっと広い範囲の企業活動全般を構成する要素の羅列じゃないかなって気がするんです。
(べ べつに 負け惜しみじゃないですよ)
質問を変えてみた
AIを駆使するには「質問力(プロンプトリテラシー)」が大切だ、ということをどこかで聞いたような気がします。
そこで質問を変えてみることにしました
「事業と経営は別」という私の持論をAIにぶつけてみましょう。
Q:「Gemini君 経営基盤と事業基盤の違いは?」
A:「事業基盤と経営基盤は、どちらも企業の成長を支える重要な要素ですが、その意味合いは異なります。」
お? これは質問が良かったせいか「経営基盤」に特化した答えがもらえそうです。
やっと答えにたどり着きました
A:「経営基盤は事業活動を支える土台となる、人材、財務、組織、ブランド力など を指します。
事業基盤が円滑に機能するための「裏側」を担う部分です。
経営基盤がしっかりしていれば、事業の変動にも柔軟に対応でき、長期的な成長を実現することができます。」
この後は長くなるので要約すると「経営基盤は事業の下でそれを支える土台」「経営基盤は裏方」という説明でした。
(一方の事業基盤は企業が提供する商品やサービス、顧客、技術などの具体的な活動範囲 を指すそうです。)
これでやっと「経営基盤」にたいするクリアカットな答えを得ることができました!
めでたし めでたし・・・なんですが・・・
ここで白状しますと、私ChatGTRこと沢田元一郎は本文の導入のところで小さなウソをついています。
賢明な皆さまはお見通しだったことと思います。
しらじらしく「経営基盤って な〜に なに?」みたいな書き出しをしましたが、急に「経営基盤」なんて言い出すのは不自然ですよね。
フフフ さすがはコナン君 よくぞ気づいたな!
長々と引っ張りましたがここまでのお話は、次の見出しにたどり着くためのいわば「伏線」に過ぎないわけです。
そうなんです。
私が急に「経営基盤」なんて言葉を持ち出したのはこんな経緯と訳があるんです。
エースラボの事業ドメインは経営コンサルタント?
私たちエースラボは一応「経営コンサルタント」を名乗ってますが、一般的な経営コンサルタントが当たり前に行う一部の業務を行いません。
商品やサービス、顧客対応の品質向上に関する直接的なアドバイスは苦手なので承らないことにしています。
(レストランのメニュー開発であるとか、価格政策みたいなことは聞かれても、やんわりお断りしています)
例えば私が主にお手伝いしているのは、業務や業績の見える化と改善による利益アップ。
布川が主にお手伝いしているのは、経理業務の正常化と迅速化による資金安定化。
伊藤が主にお手伝いしているのは、コストをかけないDXによる業務のスピードアップ。
これらを単発もしくは組み合わせてお客様企業のお手伝いをしているわけですが、
なんか「経営コンサルタント」というのとは微妙にずれているような気がしていたんです。
経営基盤 それこそがエースラボの事業領域
つい最近、私たちエースラボのメンバーと、協力していただいている芸術家兼コンサルタント(変わってますね)のitu’(イトゥー)さんとで
「エースラボの一番クリティカル(決定的)で芯を食った事業領域ってどこだろね?」
的な話をしていたときのこと、itu’さんの口から
「エースラボメンバーはそれぞれ、お客さんの経営基盤の一部を代行してるよね」
との発言がありました。
たしかにメンバーがそれぞれお手伝いしているのは、業務にせよ資金にせよDXにせよ、すべて「経営基盤の改善」というワードに置き換え可能です。
これまで「バックオフィス」「経営企画」「兵站(ミリタリーロジスティックス)」「流れを良くする(スループット)」はては「時空デザイン(業務の時間と空間を最適化する)」・・等々さまざまな言葉で自分たちの仕事を表現しようともがいていた私は、この一言に食いつきました。
「それだ! 私たちのドメイン(事業領域)を一言で表すなら経営基盤だ。」
- 強い事業を持ってスタートした企業がその勢いを失うことなく成長していくために必要不可欠な経営基盤
- その大切な経営基盤の構築をお手伝い、または代行することで、お客様企業が心置きなく事業に邁進できるようにすること
どうやら私たちの主戦場は「経営基盤」だったようです。
F1レースに例えると エースラボの仕事は エンジンサプライヤー(供給者)
マクラーレンやレッドブルなど、F1のような自動車のレースに出場するチームは「コンストラクター」と呼ばれています。
コンストラクター(=レーシングチーム)は、車体を設計・製造し、ドライバーやメカニックと契約してレースに参加しますが、大多数のチームはサプライヤー(エンジンメーカー)からエンジンの供給を受けます。
2024年にF1に参戦している10チームのうち、自前でエンジンも作っているのはメルセデスとフェラーリの2チームのみ(彼らはエンジンサプライヤーでもあります)。
例えば2024年の優勝チーム、マクラーレンのエンジンはメルセデスが供給してます
マクラーレンはエンジンに関わらない分、車体の設計・製造やレースそのものに思いっきり力を注ぎ、理想のマシンを作り上げていきました。
そしてエンジンはメルセデスから供給を受け、総合力でエンジンサプライヤーでもありコンストラクターでもある、メルセデスにすら勝つことができたわけです。
これからもエンジン(経営基盤)サプライヤーとして研鑽を続けます
つまり私たちエースラボの仕事は、「ビジネスというレースに参加するコンストラクターであるお客様企業に、経営基盤という高性能エンジンを供給し、思いっきりレースそのものに専念していただき、継続的にたくさん優勝(成長)していただく。」と言うことなんです。
お客様企業が私たちが供給したエンジン(経営基盤)で、それぞれの事業分野でナンバーワンのチャンピオンになっていただくことが、私たちの夢であり目標です。
起業したてのスタートアップ企業にとっては、なによりも事業そのもの基盤、事業基盤の構築が最重要課題です。
しかし、事業が成熟するにつれ経営基盤の強化が重要になってきます。
中小企業には、けっこうな年数がたっても経営基盤の強化に手が回らず伸び悩んでいるところも多く見受けられます。
これからも私たちエースユナイテッド株式会社は自らもレースに参加しつづけ、試行錯誤しながらエンジンの品質を追求し、皆さまのビジネスチーム(=企業)が持つ思い思いの理想を体現してつくったレーシングマシンが、使っただけでどんどん速くなり、どんどん成長することができるエンジンのサプライヤーとして研鑽を続けたいですね。
☆「右」や「左」を説明するのは簡単そうでとても難しいそうです。「お茶碗持つ方」というのはまだ良い方で 「右じゃない方が左」とか・・なかなか明確なのが思い浮かびませんね。国語辞書では「南を向いたとき東側が左」という説明がされています。
☆6度の優勝を経験しながら一時撤退していたエンジンサプライヤーのホンダが2026年からアストンマーチンにエンジンを供給することが決まっています。楽しみですね。