【書かずにはいられない!】Vol.63_「見える化」が進まないワケ

私たちエースラボの仕事先は 事業内容を問いませんので 多業種にわたります

そこで私たちが何をしているかと言いますと

1)会社の事業に関わる業務を数や文字にして「見える化」する

2)その上で見えてきた業務のムリ・ムラ・ムダを取り除き

3)同じ経営資源(ヒト・モノ・カネ・時間・情報)でより加速がつく会社に仕上げ

4)事業を安定させて業績を上げて 給与と資金が増えたリッチな状態を目指す

ということをしています

ね 意外と簡単なことしかやってないでしょ?

だってそうなんです

近代経済学の父と言われるデヴィッド・リカード(1772- 1823年)が言っていたとおり

「利益は賢さの違いではなく 愚かさの違いから生まれる」ので

複雑なムリ・ムラ・ムダをやらずに 簡単で当たり前のことをやれれば 利益は自然と上がるものなんです

(日本のような民主国家で 普通の評価を受ける商品やサービスを扱う事業をしている会社なら という条件付きですが これをお読みになっている皆さまのほとんどが当てはまっているでしょう)

皆さまはおそらく ここまでお読みいただいた内容に 特に違和感や反論はないんじゃないかな と思います

でも 「皆さまのところでも 1)の見える化に取り組みますか?」

と 私が聞けば おそらく 大半の皆さまが

「ん〜 ウチは特にいいかな」

そうお答えになるんじゃないでしょうか??

私自身も もし別の人から同じことを聞かれた場合 そう答えてしまうかもなぁ とも思います

不思議ですね〜

「見える化」は良いとわかっていることなのに なかなか重い腰が上がらない

この「見える化」が進まないのはなぜなのか?? 

少し考えてみましたが おそらく進まない理由は2つあるんじゃないかと思います

見える化が進まない理由1 「慣れ」

「そんな面倒なことしなくても 今も十分やっていけてるし 何でそんなことしなくちゃいけないの?」

このセリフは 有史以前の石器や火や車輪の発明の頃から いろんな言語で繰り返し語られてきたものです

ごく最近では スマートフォンが出回りだした頃によく使われたことを覚えています

慣れたいつもの道を通って目的地に行くのが日常になっていても 地図をよく見たらもっと近い道があった

クルマ通りの激しい道を横断するのに その先に信号があることに気づかずに 手前で毎回ヒヤヒヤしながら渡りきり 自分が「デキる人」と勘違い

「見える化」できていると 業務全体を俯瞰で見られますので そういったムダやムリがなくなるんですけどね・・・

見える化が進まない理由2 「不安」

この不安は「見える化なんかしたらノウハウが社外に漏れるんじゃないか?」というもの

言いたいことはわかります 優れたビジネスには門外不出の「秘伝のタレ」とでもいうべきものが含まれていて これが社外に漏れて丸パクリされたら・・・考えただけで恐ろしいことです

しかし 御社のノウハウは見える化されても そう簡単にマネができません

なぜなら真のノウハウは 複数のトリックの組み合わせでできた秀逸なマジックのように いくつか組み合わせないと効果を発揮しないものだから

これを丸パクリできる競合は そういません

じっさい私の事業会社も いちど競合にノウハウの一部を教えてあげましたが やっぱりできませんでした

しかもこれがわかる競合は 優秀なマジシャンのごとく もうとっくにそれをやっているので わざわざ丸パクリするメリットもありません

第一私たちが取り組むのは 秘伝と言うよりも 個人のアタマの中に隠された できて当たり前の(はずの)業務ノウハウを見える化し ブラッシュアップして社内で標準化することなのです

この標準化が 社内における業務品質のムラをキレイにならしてくれるんですけどね・・・

私たちの業務プロセスが必ず持つ 「愚かさ」を漠然と自覚するだけではなく しっかり見える化して ムリ・ムラ・ムダを取り除き より良くしてすこしでも「愚かさ」の差で利益を出していくこと

優秀な商品・サービスやビジネスモデルを持つことと同じくらい大切なことだと思いますよ

きっとリカードさんも 賛同してくれるんじゃないかと思います

☆ デヴィッド・リカードは、自由貿易を擁護する理論を唱えたイギリスの経済学者。各国が比較優位に立つ産品を重点的に輸出することで経済厚生は高まる、とする「比較生産費説」を主張した。スミス、マルクス、ケインズと並ぶ経済学の黎明期の重要人物とされる。(ウィキペディアより)

イラストは「リカード」じゃなくて「カード」