第２７回「目からウロコがはぎ取れる！経営に役立つポイント」

今回はキャッシュフロー計算書について触れたいと思います。

会計が苦手なあなたも大丈夫！

キャッシュフロー計算書の重要性と作成方法を徹底解説

企業の財務状態を把握する上で、キャッシュフロー計算書は非常に重要な役割を果たします。

会計の知識があまりない方にとっては、作成方法や見方が難しいと感じるかもしれません。

会計に詳しくない方でも理解できるように、キャッシュフロー計算書の重要性と具体的な作成方法をわかりやすく解説します。

キャッシュフロー計算書とは？

一定期間における企業の現金および現金同等物の増減を、その原因別に表示したものです。
具体的に以下の3つに区分されます。

• 営業活動によるキャッシュフロー
  • 本業の営業活動による現金の流れ
• 投資活動によるキャッシュフロー
  • 設備投資や有価証券の売買などによる現金の流れ
• 財務活動によるキャッシュフロー
  • 借入や返済、株式の発行などによる現金の流れ

これらの区分を見ることで、企業がどのように資金を調達し、どのように使っているのかを把握できます。

キャッシュフロー計算書の重要性

1. 黒字倒産を防ぐ
   • 損益計算書上は黒字でも、実際には手元に現金がないという状況が起こりえます。
   • キャッシュフロー計算書は、実際の現金の流れを把握することで、資金ショートのリスクを早期に発見し、対策を立てるのに役立ちます。
2. 企業の成長性を判断する
   • 投資活動によるキャッシュフローを見ることで、企業が将来の成長のためにどれだけ投資しているかがわかります。
   • 積極的な投資は、将来の収益増加に繋がり、企業の成長を促進する可能性があります。
3. 企業の安全性を評価する
   • 営業活動によるキャッシュフローがプラスであれば、本業で安定的に収益を上げていることを示します。
   • 財務活動によるキャッシュフローを見ることで、借入金の状況や返済能力を把握し企業の財務健全性を評価できます。
4. 経営判断に役立てる
   • キャッシュフロー計算書を分析することで、資金の運用状況や調達状況を把握し、経営上の意思決定に役立てることができます。

キャッシュフロー計算書の作成方法

大きく分けて 直接法 と 間接法 の2つがあります。

1. 直接法

現金の収入と支出を個別に記録し、それを集計してキャッシュフローを計算します。

具体的な手順は以下の通りです。

• 現金の収入と支出を記録する
• 収入と支出を営業活動、投資活動、財務活動に分類する
• 各活動における収入と支出を集計し、キャッシュフローを計算する

直接法のサンプルを以下に示します。

株式会社〇〇 キャッシュフロー計算書 （〇年〇月〇日から〇年〇月〇日まで）

Ⅳ．現金及び現金同等物の増加額（減少額） 〇▽□

Ⅴ．現金及び現金同等物の期首残高 〇◎▽

Ⅵ．現金及び現金同等物の期末残高 ▽□◎

営業活動によるキャッシュフローを現金の収入と支出を主要な取引ごとに直接的に把握して計算します。

2. 間接法

損益計算書の当期純利益を出発点として、現金の増減に影響を与えない項目を調整し、キャッシュフローを計算します。

具体的な手順は以下の通りです。

• 損益計算書の当期純利益から開始する
• 減価償却費など、現金の支出を伴わない費用を加算する
• 売掛金の増加など、現金の収入を伴わない収益を減算する
• 棚卸資産の減少など、現金の支出を伴う収益を加算する
• 買掛金の増加など、現金の収入を伴う費用を減算する

どちらの方法で作成するのかは、企業の規模や業種、会計処理の状況によって異なります。

一般的に、直接法はより詳細な情報を得られますが、作成に手間がかかります。

間接法は作成が比較的容易ですが、詳細な情報を得にくいという特徴があります。

間接法のサンプルを以下に示します。

株式会社〇〇 キャッシュフロー計算書 （〇年〇月〇日から〇年〇月〇日まで）

Ⅳ．現金及び現金同等物の増加額（減少額） 〇▽□

Ⅴ．現金及び現金同等物の期首残高 〇◎▽

Ⅵ．現金及び現金同等物の期末残高 ▽□◎

• 営業活動によるキャッシュフローを、税引前当期純利益から非資金損益項目や運転資本の増減を調整して計算します。
• 損益計算書と貸借対照表があれば作成できるため、実務で多く利用されています。

キャッシュフロー計算書の具体的な見方

• 営業活動によるキャッシュフロー
  • プラスであれば、本業でしっかりお金を稼いでいることを示します。マイナスが続くと、資金繰りが悪化する可能性があります。
• 投資活動によるキャッシュフロー
  • 一般的に、成長期の企業はマイナスになることが多いです。
  • マイナスが大きすぎる場合は、投資が過剰になっている可能性もあります。
• 財務活動によるキャッシュフロー
  • 借入金が増えていればプラス、返済が進んでいればマイナスになります。
  • 企業の資金調達の状況を把握できます。

営業活動・投資活動・財務活動によるキャッシュフローの具体的な事例と解説

キャッシュフロー計算書を理解する上で、それぞれの活動によるキャッシュフローの具体的な内容を把握することが重要です。

各活動における典型的な事例を挙げながら詳細に解説していきます。

１、営業活動によるキャッシュフロー

営業活動によるキャッシュフローは、企業の本業である商品やサービスの販売などによって生じる現金の流れを示します。

２、投資活動によるキャッシュフロー

投資活動によるキャッシュフローは、将来の収益獲得を目的とした投資活動によって生じる現金の流れを示します。

３、財務活動によるキャッシュフロー

財務活動によるキャッシュフローは、資金調達や返済など、財務活動によって生じる現金の流れを示します。

まとめ

それぞれの活動によるキャッシュフローを理解することで、企業の資金の流れをより深く把握することができます。企業の財務状態を分析する際には、キャッシュフロー計算書の各項目を注意深く見て、それぞれの活動がどのように資金に影響を与えているのかを分析することが重要です。

最後までお読みいただきありがとうございました。