え? 返さなくていいの?
さて今回取り上げるのは
「借りたら返すな!」という 「おまえは大川総裁か!」* と言いたくなるような開き直ったタイトル
もしかして 借りたお金をうまいことチャラにしたり 過払い金を取り返せるという 「〇〇ーれに相談しなされ」系のノウハウ本?
いえいえ 決してそういうことが書いてあるのじゃなくて
投資は小さく 回収は早く 調達は大きく というサイクルを大きくしていくと会社は伸びますよ
というお話が書いてある本です
*借金返済地獄を書いた「金なら返せん」の著者 大川豊さん 江頭2:25を生んだ芸能集団「大川興業」のトップ(総裁)でもあります
え? どういうこと?
ってなった方のためにに 沢田流解説を加えますと
- 事業には常に現金が必要です 現金がないと倒産します
- だからしっかり金利を払って多めにお金を借りておきましょう
- お金があるからと油断せず 少ない投資と早い回収の商売を心がけ
- しっかり儲けを出して税金をちゃんと払って
- 会社にお金を残しましょう
- 以下この繰り返しで会社を成長させると 「お金を返してるヒマなんかないでしょ」
これがこの刺激的なタイトルを持つ本のエッセンス というわけです
章タイトルも刺激的
第1章 借りたらすぐ返すな
第2章 儲けたいなら利益を上げるより現預金を増やせ
第3章 お金の相談は税理士にするな(著者の大久保さんも税理士なのに)
どうです? もしかしたら これまでやってきたのと逆のことだったりしませんか?
よく考えたら王道の話
でも各章を読みこむと、書いてあるのは合理的でごく当たり前のことばかり
各章から印象に残ったところを抜粋すると
第1章 明日から売り上げがゼロになっても潰れない現預金を持つために「借りられるだけ借りる」
第2章 銀行からの借り入れを「借金」ではなく「調達」と捉え その力を上げていく
第3章 税理士は「税金の専門家」であって「お金」の専門家ではない 凡庸な税理士の節税策はお金を残すためではなく 納税額を減らすためなので 残る現金は普通に納税するよりかえって減るケースもある
私の会社のケースで恐縮ですが 実際に
「税金はしっかり納めて余剰金を積み上げ」「銀行には積極的な借り入れ姿勢を見せ」「すぐ必要ではない現金を多めに借り入れで調達」
することで どんどん経営は安定してきていました
投資は小さく 回収は早く 調達は大きく
さらに第4章で筆者は「投資は小さく 回収は早く 調達は大きく」というスローガンを打ち立て「大きく借り入れ→投資額を抑え→資金回収を早く」のサイクルを確立して会社を成長させる 具体的な6つの方法論について書いてあって かゆいところに手が届くしっかりとした構成
いまピンチな人へのアドバイスもしっかりあります
そして最終第5章「潰れそうな会社でもなんとかなる!」では、現在苦境にある会社への合法的な企業再生のアドバイスまで書いてあって まさに至れり尽くせりの内容になっています
「借りたら返すな」の本当の意味
著者が「借りたら返すな」というタイトルに込めた真意は
- 苦しい分だけ借りては返す借金ではなく「資金調達」なら多い方がよいから返さない
- 調達した資金をしっかり抑えた投資で増やし しっかり納税して残りを会社に残す
- それを繰り返していくのが事業なんだから「返しているヒマなんてない」
ということではないでしょうか?
借金嫌いの経営者こそ読んでほしい
「借りたら返すな」は
- 「無借金経営」を実践して結果ジリ貧になっている感じがする経営者
- 借金があるのを恥じて「いつかは無借金!」と考えてしまっている経営者
- 現在資金的に危機を感じている経営者
の皆さんにとてもオススメの本です